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【ライブレポ】Mr.Children Tour 2018-2019 重力と呼吸 @北海きたえーる(札幌) 11/4(日) 2日目

※ライブのレポートです。これからライブに参加する方やネタバレを控えたい方は閲覧しないことをお勧めします。

 

かれこれ1ヶ月ほど前の事にはなりますが、僕が参加したミスチルの重力と呼吸ツアー札幌公演2日目の内容について細かく振り返っていきたいと思います。(とりあえずこの記事を書きたかったからブログを始めたと言っても過言ではない…)

 

 

ライブに至るまでの話

実はチケットの抽選に一度落ち、再度当日券を応募したのでライブ前夜まで全く参加する気持ちは準備できていませんでした。なので当選メールが届いて会場に行くまでの間は「本当に行っていいんだろうな?」くらいの気分だったのが正直なところ。

しかし今振り返ると本当に当選したこと自体ラッキーだったし、参加できて良かったと心から思います。そう思わせるくらいの濃い内容と熱量が込められたライブでした。

 

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今回のツアートラック。アー写と公演スケジュールがデザインされた比較的シンプルなトラックでした。

 

グッズはライブ前にメモリアルリストバンドとタオルを購入。それほどキャパシティが大きくない会場ということもあってか、ほとんど並ばずにスッと買えました。

 

そして今回から転売対策としてチケボが運営に参加しましたが、チケット申し込み時のややこしさ、サイトの細かいバグなどがもう少し解消されれば今後はこのやり方の方が良いんじゃないかと個人的には思います。

 

次に席について。今回座ったのはステージを正面にして左のスタンドの奥の方。一応注釈席という扱いではありましたが、ありとあらゆる演出を用いたこのツアーではかなりの当たり席だったんじゃないかと思います。

しかし開演前はステージを見てもモニターらしきものがどこにも見えず、花道も先の方が広くなっていなかったので「あぁ、今回はテーマがロックって事もあってアコースティックコーナーとかも無しでシンプルに見せるライブになるのかな」と勘ぐっていました。しかしその予想は本編中盤にかけて大きく外れる事となる…。

 

ライブ本編

0.Opening

会場の照明が暗転し、拍手と歓声。しかしモニターは無いのでSEと照明を用いた演出の中、メンバーが登場。ここまでシンプルなオープニングは近年のミスチルにも無かったのでは。

 

1.SINGLES

オープニングのSEが鳴り止むと同時に演奏開始。メンバーの上部に照明器具が降りてきてシャンデリアのようになっていたのが印象的。

サウンドは近年のミスチルには珍しいほどロックでノイジー、でも歌詞は「孤独」がテーマになっていてどこか物悲しい。そこにライブが始まった興奮やら何やら色んな感情が押し寄せて当時の心境は結構カオスでした。

 

2.Monster

歓声が鳴り止むのも待たずにあのベースの不穏なイントロ。この時点でかなり攻めた流れだなと感じていましたが、ここでステージ左右から縦長のモニターが、ステージ中央からは照明が取り付けられたモニターが登場。1回目のサビが終わる頃には左右のモニターがゆっくり傾き今度は横長に。曲が進むと同時にステージ全体も目まぐるしく形を変える、まさにモンスターと化していたような印象でした。

また今回のツアーではサニーの他に世武裕子(通称セビー)という女性がキーボード担当としてメンバーに追加されたのですが、この方、激しい曲になると所々とんでもなく狂った旋律を突っ込んでくるのでいつにも増して尖ったサウンドになっていた気がします。

 

3.himawari

ミスチル史上一番直接的に死を扱ったこの重い曲がまさか序盤に来るとは全く想像していませんでした。この曲は特に目立った演出はありませんでしたが、桜井さんの歌声だけに留まらず演奏している5人の音も重厚で聴きごたえ抜群でした。去年のThanksgiving25の札幌公演でも僕は現地でこの曲を聴いたのですが、その時よりも迫力が増していたような気が。キーボード担当が2人になったこともあってかSINGLESやこの曲ではサニーがアコギで演奏していたので、その影響も大いにあると思います。

 

4.幻聴

序盤の盛り上げ役として披露されたのはこのツアーが初。最後の観客との掛け合い部分はREFLECTIONや未完ツアーに比べて少し変わっていたと思います。個人的には前の方が好きだった...。

今改めてこの序盤4曲の流れを見ると、なんかカオスな選曲だなぁと思うけど敢えてバンドとしてのいろんなバリエーションを見せるためにこの構成にしたんじゃないかとも考えられますね。

 

MC

いつもの「やるよ!」的な流れの短めなMC。

 

5.HANABI

「僕らの出会いを祝してこの曲を」と言って流れたのはあの馴染み深いイントロ。と同時に今度はメンバーが立つステージの床面にキラキラしたCGの映像演出。おそらくアリーナ席からは見えないであろう演出だったので、その人たちには悪いけれども少し得した気分になってました。

 

6.NOT FOUND

ドラムソロからのアレンジとなっており、桜井さんが「Mr.Childrenの音の骨格」と称してJENを紹介。その後もドラムは叩きっぱなしのまま「僕はつい...」と曲に入っていったのでやたらガツガツした男らしい曲に化けた印象でした。

余談ですがこの曲のドラムパターンが『ロックンロール』と地味に似ているので一瞬そっちかなと思った方も少なくないはず...。

 

7.忘れ得ぬ人

最近ネットで「忘れ得ぬ人は小林武史を想って書いた曲だ!」っていう解釈を見て僕は「別にそればかりとは限らないだろ」とか思ってましたが、初の完全オリジナルプロデュースとなったアルバムのツアーでわざわざこの曲を選んだということはその解釈もあながち間違えではないのでしょう。(まぁ曲の解釈にそもそも正解も間違いも無いんだけど...)

荘厳な雰囲気のまま曲が終わって客が物音一つも立てないのに違和感を感じたのか「しーんとしてるけど...大丈夫ですか?」と半笑いでMCに入ったのは笑いました。

 

MC

花道が狭いから場所変えて演奏するコーナーは無いものだと思っていたけれど、まさか花道に沿ってメンバー4人が交互に向きを変えて数曲やるとは思ってもいなかった...。(配置は文字で説明しにくいのでBDが出た頃にでも確認してみてください)

そして話は『innocent world』などで大ブレイクした後に作ったとある曲についての話へ。絶頂期を迎えた後に音楽業界から転げ落ちるアーティストをいくつも見てきて、ミスチルもそうならないようにとホテルでとにかく曲を作りまくったという時期の話を冗談も交えながら穏やかに話していましたが「本当に嫌でした」とも言っていたので多分それが本音でしょうね...。

 

8.花 -Memento mori-

その予約したホテルに泊まった最終日に出来上がったというのがこの曲。

ここでは各メンバーの後ろに花道の床から上部にかけてスクリーンが2枚ずつ張られ、プロジェクターで演奏している様子を映し出すという演出。この時点では計8枚の縦長なスクリーンと4つのプロジェクターを使って演出していたのですが、全てのスクリーンを合わせて1つの画面になるようなシーンもあったりして仕組みはわからんけど何かすげぇことが行われている!って感じでした。(語彙力)

 

9.addiction

今度はスクリーンが4枚追加された上にその計12枚のスクリーンが生き物のように上下に動くという、いよいよ凄すぎて訳のわからない演出に。映像は全編CGで、雰囲気はREFLECTION、未完で披露した『WALTZ』のような感じでした。

サビの「oh」と「more more more」は観客との掛け合いになっていたので、アルバムで聴くのとはまた違う一面が見れたのかなと思います。

 

10.Dance Dance Dance

イントロはテクノチックなアレンジに。これも『ニシエヒガシエ』に並ぶライブ定番曲ですが、レーザー光線とクラブ的な照明のおかげでいつも以上に激しくなっていた印象を受けました。

どの公演でもこの場面では「田原さんが凄く楽しそうにギター弾いてた」と参加した人たちがつぶやいたりしていますが、激しい照明や場所の関係もあって自分の目からはあまり目視できませんでした...。

 

11.ハル

過去のツアーではSENSE -in the field-でのみ披露されていた曲なのでかなりのレア感。

ここではライトアップされた白い布が花道上部に現れ、吊るしているクレーン(?)がゆっくり上下するという演出が。曲中に出てくる「カーテン」や「風」、または「イメージの翼」なんかがモチーフなのかなぁと考えたりしていたのですがはっきりはわかりません。またラスサビでは花吹雪が舞い落ちてきて、曲の幻想的な雰囲気にかなり沿った演出となっていました。

 

12.and I love you

短いSEが流れた後、イントロと共にセットの背後(メインモニターの下)でミラーボールのような回転する電飾が点灯。ホールツアーの『ヒカリノアトリエ』で使われていた物と似ていました。また、アウトロはいつもより1小節程多くなっていた気がします。

 

13.しるし

バラードが続きます。今回は原キーでの披露だったのでホールツアーに比べるとまた熱のこもった演奏と歌になっていました。もう自分らの親と同じくらいの世代だってのに、本当にこの人たちは衰えを感じさせない。

 

MC

「みんなが日々背負ってるもの、全部この会場に置いてってください!」

「さあ、みんなを裸にするよ!」

そんなMCの中流れてきたのはあの特徴的なイントロ。

 

14.海にて、心は裸になりたがる

想像通り今回のアルバムの中で特にライブ化けしたのがこの曲。個人的にもアルバムを聴いた時から『addiction』とこの曲は好きだったのですが更に好きになりました。

軽快な演奏だけでなく、サビの最後の叫びや拳を掲げて「オイ! オイ!」的なノリができる所も含めてまさに「ミスチルのロック曲」へと昇格したイメージです。

かつての『エソラ』や『fanfare』に次ぐライブ定番曲になってほしい...。

 

15.擬態

『Monster』で「この街を潜水して泳いで」いたトビウオはこのライブを経て様々な経験をして「アスファルトを飛び跳ねる」トビウオに。そしてそれは誰かの、何かの『擬態』である。

後々ライブ全体を振り返るとそんな見方もあるのかなぁなんて思ったり。

爽やかなバンドサウンドに思い切り闇を抱えた歌詞を突っ込むこの手の曲、本当好きなんですよね。

 

16.Worlds end

blood orangeツアーから約5年ぶりの披露。今のロック精神むき出しのミスチルで演奏していたのであの頃よりも更に力強いサウンドが響き渡っていました。きっとここまで壮大な曲はどのアーティストも演奏できない。『重力と呼吸』発売前のあのコメントも決して大げさではありませんでした。

 

MC

ここのMCは正直あまり細かく覚えてないのですが、次の曲『皮膚呼吸』についての話でした。「この会場にはティーンエイジャーはそんなに多くない」と言った後、観客から笑いが起こったのだけは確かに覚えていますが...。

 

17.皮膚呼吸

はっきり言ってしまうと「今年で成人を迎えた今の自分にとってはこの曲は刺さらない」ってのが正直な感想です。この前のMCの通り、この曲の対象はティーンエイジャーなどではなく、激動の時代を必死に駆け抜けたミスチルメンバーと同世代のリスナーに向けた応援歌なんじゃないかと思うんです。

約20年前に『終わりなき旅』がリリースされましたが、いくら「終わりなき」とは言ってもどの人間にも最終的には「死」が待ち受けています。その残された時間を考えた時、その切なさに息が詰まった時がまた自分を試す時だ、という『終わりなき旅』の更に先にある1つの答えが『皮膚呼吸』。自分はそんな視点でこの曲を聴いてます。

しかし僕ら20代の人間がそんな切なさに息を詰まらせている暇なんて今はきっとありません。この曲が刺さるような中年になっていればいいなぁぐらいに考えているのが現時点での僕の思いです。

 

・アンコール

例のスマホライトを掲げる客は大勢いましたが、いちいちそれに目くじら立てて「スマホライト勢死ね」とか言うのも何か違うなと思います。スマホで写真撮ってるとか明らかにマナー違反をしてる人に腹が立つのもわかりますが、不快だったらファン同士で叩き合う前にまず運営の方に問い合わせるとか、ライブ後のアンケートに書くのが一番無難なんじゃないかなぁ。

まぁ、そんな愚痴はひとまず置いておくとして...。

 

 

数分待つとメンバーが登場するのと同時に花道のスクリーンに映像が。

 

18.here comes my love

メンバーの上部には筒状に照明器具が降りてきて、その上では点灯した1つのライトが一定間隔で回転する演出。曲中に出てくる「灯台の灯り」がモチーフだと思います。

恋とか愛をも超越した「君」への感情がこれでもかと込められた重厚なシングル曲です。

 

19.風と星とメビウスの輪

曲の序盤と終盤は花道のスクリーンにCGを投影、壮大に展開する中盤は球状の鏡(?)に無数のレーザー光線を当てる演出。演奏、歌声、演出、全てが一体となって感情を揺さぶられます。圧巻でした。それ以外何も言えない。

 

MC

「噂によると北海道は冬がとても寒いみたいじゃないですか。僕も体験したくありません」と発言した後に観客から「え~!?」という声と笑いが同時に起こったのが印象的でした。ほんと東京から西に住んでる人にはみんな一度でいいから半年間雪に閉ざされる極寒の地獄ってもんを味わってほしい。2月とか3月くらいには閉塞感で窒息死しそうになっから。

 

20.秋がくれた切符

そんな極寒の土地北海道では例年ならもう11月頃には雪が降り積もっている事も少なくないのですが、今年は寒波が遅れ気味なおかげか幸せなことにこの日の紅葉が結構綺麗だったのを覚えてます。

アンコールに1曲くらいはアップテンポな曲を入れてほしいとの声もありましたが、きっと季節的に考えてもここで披露するしかなかったんだろうなぁと今は思います。

 

21.Your Song

ミスチルのメンバー同士、メンバーとリスナー、そしてリスナー同士をも結びつけるこの重要なアルバムリード曲がライブ最後の曲。

この手の曲はかつての『GIFT』とか『彩り』に当たると思うのですが、そのありとあらゆる要素をコンパクトかつ完成度も高くして仕上げたのがこの曲だと個人的に思ってます。特別派手でも壮大でもないサビの締めが「君じゃなきゃ」って言葉に着地するのがとても好き。

結局国民的モンスターバンドに所属していようがありきたりな職場で働いていようが、どんな人間であろうとも皆が一番尊いと思うのはこの日常なんですよね。

 

・エンディング

6人で手を繋いで礼をするいつものやつ。退場曲は『Your Song』。今回特に演奏以外で出番がなかったJENが苦し紛れに気持ち悪い動きをしていたのには笑いました。

 

総括

ライブ全体を振り返ってみると約2時間半の間によくこれだけの内容を詰め込んだなぁと。僕は過去にblood orange、未完、Thanksgiving25と3つのツアーに参加してきたのですが、他のアーティストを含めてもこれほど見ていて飽きが来ないライブは生まれて初めて見ました。1つだけ言うのなら、HANABIやしるし、and I love youあたりは近年のツアーでも頻繁にやっていたので久々にライブでやる曲がもう少し増えても良いかなとは思いますが...。

 

とにかく既存曲、新曲問わず曲のイメージに沿った照明や演出をしていた所にスタッフたちの愛がものすごく伝わってきました。特にプロジェクションマッピングなんかは緻密な計算の上で動かさなければ絶対に失敗してしまうはずなので働きすぎてるんじゃないかと心配になるくらい。

 

ここまで約6000字の文章を綴ってもまだまだ書ききれていないことは山ほどありますが、来年は台湾公演も控えてますし、ドーム(スタジアム)ツアーの決定とかBD/DVDの発売も予想されます。この感動は是非自分の目と耳で体感してみてください。

今後のミスチルにキタイ。